ものすごく今更な話だが、CCCDにCDプレーヤーを壊された話。
しかも壊れたのはSony製のCDラジカセ、ZS-F1だ。
もちろんコピーしようとはしていなく、ただCDラジカセで再生しようとしただけである。
再生を始めると激しく音飛びしたので慌てて止めた。それ以降は他の普通のCDも再生できなくなったという話である。
もちろんそのCCCDを再生する前は普通に再生できていた。
この時系列から言ってCCCDを再生したらCDプレーヤーが壊れた、と表現するしかなかった。
ネットで調べたが、この現象で因果関係の立証は難しく、レコード会社の責任を問うこともできないだろうという。
衝撃的な出来事だったので当時の状況はよく覚えている。
ことの発端は友人がポルノグラフィティのCD(青リンゴの絵が描かれたCDだ)をレンタルショップで借りてきたところだ。
友人がそのCDを聞こうとしたらCCCDだったのでCDプレーヤーが壊れたんだ、などと相談してきた。
私はそんなバカなと思い、「そんなことがあるわけない、たまたまそのCDだけが再生できないだけなんでは?」と言ったのだが、CDプレーヤーが再起不能になっているという。
CDプレーヤーなんてそう簡単に壊れるものでもないと思うのだが友人はCCCDが原因で壊れたと主張している。
CCCDについてはSonyが提唱している規格でありCDをコピーできないように何か手を加えているのだという知識はあったが、何かやってるんだろうなというくらいにしか思ってなかった。
そもそもCDとCDプレーヤーの関係から考えて、そのCDが再生できないことはあってもプレーヤー側への影響があるとは論理的に信じられなかった。
友人は目の前で起きた事象を説明しているだけなので「CCCDを再生したらCDプレーヤーが壊れた」という主張を変えるつもりは毛頭無さそうだった。
私と友人で主張が平行線になり、「じゃあ僕んちのCDプレーヤーで聞いてみようよ、うちのCDプレーヤーはSony製だから大丈夫だと思うよ」と言った。
そして私の部屋に持ってきてもらい、冒頭の現象を目の当たりにしたのだ。不思議なことに友人も本当に壊れるとは思ってなかったらしく、僕以上に驚愕しているようだった。
まぁ本当に壊れることを確信していたら再生することを止めていたはずだが。
その後CCCDの仕組みなどを調べ、CDプレーヤーに負荷をかける、その結果寿命が縮む、端的に言うとCCCDを再生するとCDプレーヤーが壊れることがあるという事実を認めざるを得なかった。
今思い出してもあの時のいろんな感情が混ざった感じ、驚愕しながらも申し訳なさそうにしている友人を責めるわけにもいかないが、壊れてしまったCDプレーヤーをどうしよう、という呆然とした感覚。
SonyのZS-F1というのはちゃちなCDラジカセではなく、そこそこ高級なCDラジオだったので安易に捨てたり買い替えたりできるものでもなかった。
その混沌とした感情はSonyへの漠然とした不信感だけを残して10年以上たった今でも思い出深い出来事となっているのだ。
いろんなCDを持っていたがポルノグラフィティの青リンゴのCDは忘れられない1枚だ。2度と再生しないだろうけども。
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